犬のアトピー性皮膚炎はヒトと同様の臨床的および病理組織学的特徴が認められることが多い
一方で猫アトピー性皮膚炎は機序が不明で診断基準が確立されていません。
そのためノミや食物以外が原因となるアレルギー性皮膚炎をアトピー性皮膚炎と扱っている
というのが現状です。
photo by Lili Vieira de Carvalho
症状;
猫アトピー性皮膚炎の症状は主に「痒み」です。
過剰なグルーミングや掻き壊しによる顔面、頸部の紅斑・びらん・潰瘍・痂皮・脱毛に加え、
好酸球性肉芽腫など様々な症状を示します。
もちろんアトピー以外の痒みでも同様の症状を示すため、
見た目だけで診断することは出来ません(^-^;
診断;
猫アトピー性皮膚炎の診断は他の痒みを示す疾患を否定していくことで診断をつける
除外診断で行われることが多いです。
具体的には、
・疥癬・ツメダニ・ミミヒゼンダニなどの外部寄生
・皮膚糸状菌症
・ノミアレルギー
・昆虫刺咬アレルギー
・食物有害反応
・一部の腫瘍
の全てを各種検査や治療から否定し、その結果
猫アトピー性皮膚炎と診断される、という流れです。
また犬と異なり、猫血清中抗原特異的IgE検査が可能な検査機関は限られているうえ、現段階ではその有用性には議論があります。
治療
治療の中心はステロイド剤です。
特に治療初期に急性の痒みの場合には効果が高いと思われます。
しかしながら犬に比べると軽微とはいえ、
長期間使用するとやはり副作用が問題となってくるため、
免疫抑制剤や抗ヒスタミン剤への切り替えが必要となってきます。
最近では免疫抑制剤も猫ちゃん用に液体タイプの飲ませやすい薬も出てきていますので
猫ちゃんの痒みで悩まれている方はお近くの動物病院でご相談ください☆
特に、ノミがいるわけではないのに非常に痒がっている、皮膚が傷つくまで皮膚を舐めている、
そういった場合にはお早めに獣医師にご相談くださいね☆
浜松市中区 レイクサイド動物病院
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