今日の浜松はひどい雨です(*_*)
こういう日はでかけたくないですよね。
必然的に動物病院も少し暇になることが多いです(^-^;
暇だから書くわけではありませんが、今日は「猫の慢性膵炎」についてです。
(photo by photofarmer)
猫の膵炎は多くの臨床獣医師が考えているよりも多く発生しており,
この疾患の診断は非常に困難とされています。
2007年にThe Journal of Veterinary Pathologyで発表された研究では,
剖検に供された猫の67%で死因にかかわりなく組織学的な膵炎が認められ,
臨床上健康な猫でも45%で同様の所見が認められたことが報告されています。
つまり健康に見える猫でも2頭に1頭は膵炎をもっているかもしれないということになります。
膵炎の猫は,典型的には無気力,食欲低下,脱水,体重減少など非特異的な臨床兆候を示します。
嘔吐は見られないか間欠的で,犬のように腹痛が認められることはまれとされています。
しかしながら軽度な膵炎の場合は無症状のこともあり、
診断をさらに難しいものにしています(*_*)
そして果たして無症状の猫の膵炎を治療すべきなのか、
またどのような治療をすべきかについてはよくわかっていないのが現状です。
治療に関しては、確立された治療法はなく輸液・疼痛管理・制吐剤・栄養療法・抗菌薬など、
症例の症状に応じた治療を行うことになります。
また猫の膵炎が他の併発疾患を伴うことは珍しいことではありません(‘ω’)ノ
胆管肝炎,胃腸炎および膵炎、これら3つの慢性炎症性疾患の複合を表現するために
「三臓器炎」という用語が用いられてきました。
また,糖尿病の猫の約50%で,剖検時に慢性膵炎がみつかっています。
軽度な慢性膵炎の予後は基本的に良好と思われますが、
併発疾患がある場合や、重度の慢性膵炎の場合は注意が必要なため、
食欲がなんとなく落ちている、あまり動きたがらないなど気になる症状があった場合には
お近くの動物病院を受診してください!
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