今日は犬の進行性網膜萎縮についてです。
聞きなれない病名かと思いますが、
ミニュチュア・ダックスフンド、シーズー、トイ・プードルなど
日本で人気のある小型犬種(その他ヨーキー、アメリカン・コッカー、M・シュナウザー、チワワ、パピヨン)で非常に多く認められています。
症状は?
夜間や暗い場所で、目が見えにくくなるという特徴から
「夜間に散歩に行くと物にぶつかる」
「夜電気を消すと動きが緩慢になる」
「暗いときの外出を嫌がる」
これは徐々に進行し、さらに進行すると明るい場所でも
「階段の上り下りをしない」
「足を踏み外す」
「壁づたいに歩く」
などの症状が表れ、最終的には失明に至ります。
しかし症状が徐々に進行することと、記憶、嗅覚、聴覚などの感覚や適応力により、
飼主の方にはなかなか気付かれにくいようです。
また、発症が早い場合には犬の性格として『散歩が嫌い』とされていることが多いようです。
治療と予防法は?
現在のところ、残念ながらこの疾患に対する有効な治療法はありません。
まずは愛犬が出来る限りストレスや不安なく過ごせるように家の中の家具の配置を変えたりせず、
邪魔になるものをなるべく置かないようにしましょう。
初めて行くような場所ではなるべく静かな場所を選び、ストレスをかけない工夫をしましょう。
また、ビタミンE、アスタキサンチンなど抗酸化作用が期待できるサプリメントが、
網膜組織が酸化することにより進行していく網膜変性を遅らせるのではないかと言われていますが
その根拠となるデータは乏しい状況です。
進行性網膜萎縮は遺伝性疾患のため予防法はありません。
しかしこの病気にかかってしまうわんちゃんを増やさないために、
病気の遺伝子を保有する犬を繁殖させないことが重要です。
この病気の遺伝子検査は動物病院で受けることが出来ます☆
特に上に書いた好発犬種の場合にはかかりつけの獣医さんとご相談下さい!
浜松市中区 レイクサイド動物病院
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