潜在精巣(停留睾丸・陰睾)の話

今日は潜在精巣(停留睾丸・陰睾)についての話です。

どれも同じことを表していますが、

わかりやすく言えば正常な位置に「タマタマが二つ確認できない」状態です(‘ω’)ノ

犬 睾丸 陰睾

犬や猫の精巣(睾丸)は生まれる前はメスの卵巣と同様に腎臓のすぐ後ろに存在し、

そこから生後10日くらいまでの間に陰嚢内に下降してくるとされており

生後2か月までに陰嚢内に精巣が確認出来ない場合に→潜在精巣と診断されます。

潜在精巣は来院されるペットの1~2%に認められ、

下降していない精巣はお腹の中か、股の付け根のどちらかにあります。

片側だけが潜在精巣であることが多く、もう片方が正常であれば繁殖能力はありますが、

潜在精巣は遺伝性疾患であるため、繁殖させてはなりません。

犬では下降していない精巣は正常な位置の精巣に比べ腫瘍の発生率が約13倍と報告されています。

そのため潜在精巣の個体は去勢手術が強く勧められます。

私自身の過去の経験症例からお話しすると、

ミニチュアダックスで腹腔内の潜在精巣が腫瘍化し、周りの臓器を巻き込み子供の頭くらいの大きさに成長し

手術したものの、腎不全などの症状を引き起こし亡くなったという事例もありました。

精巣の腫瘍は良性が多いということと、

「予防的」去勢が平均余命延長させないという一部の報告から潜在精巣を放置する方もいるようですが、

悪性の精巣腫瘍も経験したことがありますし、やはり私自身は潜在精巣と診断された場合は

しかるべきタイミングで去勢手術を行うことをお勧めします。

去勢手術を行うタイミングに関してはかかりつけの動物病院の先生とよく相談してくださいね☆

最近仔犬、仔猫を飼い始めた方で

「意識したことなかったな~」という方は一度タマタマが二つ確認できるか

触ってみて下さい!

あれ??と思った場合はワクチンの際などに獣医師に聞いてみましょう☆

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