11月1日毎日新聞の記事からです。
熊本大大学院と北里大の研究グループは、皮膚がんの中でも見逃されやすく治療が難しい
「血管肉腫」の発生に、特殊な融合遺伝子が関わっていることを確認し、
米医学誌「キャンサー・リサーチ」に発表した。
皮膚がんの原因解明や特効薬の開発につながる可能性があるという。
同大学院によると、血管などの細胞から発生する血管肉腫は中年以上の頭部にできることが多く、
進行が早いが見逃されることが多い。
血管肉腫のがん細胞の遺伝子を解読した結果、本来は別々の二つの遺伝子が融合していることを発見。
血管肉腫の患者25人のうち9人でこの融合遺伝子を確認した。
この融合遺伝子を含む細胞をマウスの皮膚に注射したところがん化。
逆に融合遺伝子を細胞から除去すると血管肉腫の細胞が減少し、発生に関係していることが明らかになったという。
同大学院の神人正寿准教授は「血管肉腫を制圧する突破口が見つかった。特効薬の開発に向けて研究を続けたい」と話している。
¶上の記事は人の話ですが、動物にももちろん血管肉腫はあります。
血管肉腫は老齢の犬に多く、ジャーマンシェパードは好発犬種とされています。
人では皮膚の血管肉腫が多いようですが、犬において血管肉腫が最も多く発生するのは
脾臓という臓器です。
犬における血管肉腫はハッキリ言って極悪といえる悪性腫瘍です。(皮膚を除く)
無治療での平均生存期間は19日、手術のみおこなった場合の平均生存期間は2.7カ月、
外科手術+科学療法で5.6カ月という報告があります。
ステージや組織学的悪性度により予後は当然異なるので、この数字だけを
鵜呑みにしないでいただきたいとは思いますが、いかに悪い腫瘍かがわかるかと思います。
人のほうで原因遺伝子が特定されれば、その遺伝子変異が犬にもあるのかどうかが研究されるかしれませんね☆
私自身は研究者ではないため、今後の研究を待つしかないですが、
10年後、血管肉腫に対する治療法が劇的に変わっていることを期待しています☆
※11月29日(日)浜松市獣医師会年次大会がグランドホテル浜松にて行われます!
テーマは「動物と人のがんを知ろう」
ということでがん治療のスペシャリストの先生方から市民向けにもセミナーがあります。
市民の方々は無料です!
家族の一員であるペットがガンになったとき、私たちはどう受け入れ、向き合っていけばよいのか
そういったお話が聞ける滅多にないチャンスです。
お時間のあるかたは是非お越しください。
当院でパンフレットをお配りしているので、ご興味ある方はぜひお声かけください☆
コメントする