マンソン裂頭条虫と壺型吸虫って!?

昨日、獣医師になって9年目にして初めて遭遇した症例がありました。

マンソン裂頭条虫壺型吸虫です。

マンソン裂頭条虫卵

壺型吸虫卵

ある程度田舎のほうの先生からすれば、「そんなのしょっちゅう見るよ」と言われると思いますし

逆に東京・神奈川などで勤務されてる先生には

「本当にいるんだ、やっぱり田舎だね〜。教科書でしかみたことない!」

と言われるかも知れません。

浜松が田舎かどうかはおいといて(^-^;、、それほど地域差のある病気です。

私が川崎で勤務医をしていた時は、渋谷と横浜の間くらいの場所でしたので

はずかしながらこういった症例を見たことはありませんでした( ゚Д゚)

マンソン裂頭条虫体長1〜2mにもなるお腹の中に寄生する寄生虫です。

詳しい生活環は割愛しますが、簡単に言えば

カエルやヘビを補食したりすることで経口感染します。

普段はあまり強い病原性は出しませんが、宿主の体調が悪くなった際には

下痢や嘔吐などの症状を出すことがあります。

駆虫はやはり動物病院を受診して頂き、注射薬や内服薬、滴下薬などを適切なものを選択し、

投与する必要があります。

通常一度の投与で駆除されますが、駆除後も外出している場合には

再感染にリスクがありますので注意が必要です。

また田舎のほうで、地域猫の成猫を保護した場合かなりの高確率で

マンソン裂頭条虫に感染しているとのこと。

外出する猫ちゃんまたは元々は外にいた猫ちゃんを保護されて飼われている場合

一度は動物病院で検査を受けられることをおすすめします。

当院ではこういった寄生虫の感染を出来るだけ早期に発見する目的と

ワクチンの効果を十分に得るためにワクチンの際に無料で糞便検査を実施しています。

少しだけ時間をいただきますが、愛するわんちゃん、ねこちゃんのためなので

ご理解下さい☆

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コメント一覧

  • Comments ( 2 )
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  1. マンソン条虫と壺型吸虫が
    しかも浜松市かなり近所地域で、野良子猫さんから検出されました。
    地域的に流行っているのでしょうか…。嫌だなぁ…。。

    • 返事が遅くなり申し訳ありません。
      もう少し田舎の方だと外の猫ちゃんの8割ほどの感染率がある地域もあるようです。
      浜松市内もカエルやヘビがいるようなところではまだ珍しくないのかもしれませんね。
      親戚が南区の中でも少し離れた田んぼばかりの場所に住んでいるのですが、
      田んぼの縁を歩くと沢山のカエルが跳ねていましたよ(^-^;

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