今年に入り、当院ではなぜか慢性腎臓病の猫ちゃんを診断することが非常に多くなっています(;・∀・)
もともとねこちゃんに慢性腎臓病が非常に多いことは以前のブログにも書いた通りですが、
猫ちゃんの死因第2位が腎臓疾患となっています。
ある研究では15歳以上の猫ちゃんの80%に慢性腎臓病が認められるとも報告しています。
腎臓が悪くなると何が問題なのか??
「腎臓」という臓器には体の中の水分量を調節する役割があります。
お水をたくさん飲めばおしっこをたくさん出して調節し、水が飲めない時にはおしっこの量を少なく濃くすることで
脱水しないようにするのですが、
腎臓が悪くなってくるとおしっこを濃くすることが出来なくなります。
そうすると、お水のように透明で臭いのないおしっこが大量に出てしまうようになり、
それを補うためにお水をよく飲むようになります(多飲・多尿)
しかしながらさらに進行していくと、嘔吐や食欲不振などが現れ、体重も減っていきます。
今現在、腎臓病の進行を抑制するものとして効果がはっきりしているものは食事療法だけなのですが、
今日、日本経済新聞に猫の腎臓病治療薬に関する記事を見つけましたので一部抜粋して紹介したいと思います。
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東レは23日、猫の死因のトップとされる慢性腎臓病の治療薬を開発し、農林水産省から承認を取得したと発表した。
腎機能低下を抑制する猫用の治療薬は世界初という。
4月から動物医薬品大手の共立製薬(東京・千代田)が販売する。
慢性腎臓病は10歳以上の高齢猫の半数以上が発症するとされ、治療薬が待ち望まれていた。
腎臓病は猫がかかりやすく、食欲不振などを経て最終的に腎不全になる。
これまでは点滴といった対症療法などしかなく治療の選択肢が限られていた。
発売する「ラプロス」は錠剤タイプの薬で1日2回口から投与し、腎臓病の進行を抑える。
東レがヒト向けに販売する血管拡張作用のある薬の有効成分を応用した。
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初めて腎機能低下を抑制する根拠のある薬が認可を得て販売されるということですね☆
もちろん、新しい薬ですからいい面だけとは限りませんが
今後慢性腎臓病の新しい選択肢として飼い主様に提案できるようにまた、
投薬した子達にいい結果がでるよう期待したいですね★
今日は慢性腎臓病に対する新しい薬「ラプロス」についてでした!
この薬に関しては、今後もっと情報も入ってくると思いますので、また改めて
アップデートがあればブログに書きたいと思います。
浜松市中区 レイクサイド動物病院
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