今日は犬の「子宮蓄膿症」についてです。
子宮蓄膿症とは子宮内腔に膿汁が貯留した子宮の急性または慢性の化膿性疾患です。
この膿からは大腸菌・ブドウ球菌・連鎖球菌・緑膿菌などが検出されます。
子宮蓄膿症の自然発生率は0.6%とされていますが、
9歳以上の未避妊の犬における発生率は66%以上という報告もあります。
つまり避妊手術をうけていないわんちゃんの場合9歳を超えると3頭中2頭が子宮蓄膿症になるということです( ゚Д゚)ガクガク
そして子宮蓄膿症と診断された場合早期に手術を行っても5~8%が死亡するという
ショッキングなデータもあり、とても身近で、とても怖い病気と言えるでしょう。
そこで子宮蓄膿症の特徴を復習して、なるべく早く動物病院を受診できるようにしましょう!!
【原因】
通常犬の膣粘膜のPHは低く、酸性に傾いているため子宮内への細菌の侵入は起こりにくい。
しかし黄体ホルモンの関与により子宮内膜が肥厚増殖すると、子宮内への細菌感染がおこりやすくなってしまいます。
発情後、平均して8週間以内に発生します。
【症状】
食欲不振・元気消失・発熱・多飲多尿・嘔吐・下痢
陰部からのおりもの(閉塞性子宮蓄膿症の場合はおりものがでてこないので注意)
進行状況(重症度)・細菌の種類などにより異なります。
【診断】
陰部からおりものが確認される場合(開放性)、子宮蓄膿症を疑うことは簡単です。
開放性の方が基本的に多く、65~98%は開放性とされています。
閉鎖性の場合も、発情の時期の確認、血液検査・レントゲン検査・超音波検査などから比較的容易に診断することができます。
【治療】
子宮蓄膿症の治療の第一選択は外科療法(卵巣・子宮全摘出)であることは間違いないでしょう。
しかし、どうしてもその子の繁殖をしたい場合、高齢・手術が高リスクの場合などに
内科的な治療を適用することは可能です。
ただし、
・内科的な治療は治癒に時間がかかること
・100%治癒するわけではないこと
・治癒したとしても次回の発情で高確率で再発すること
などの問題点があります。
子宮蓄膿症は避妊手術を受けることで予防できる病気です(‘ω’)ノ
わんちゃんを飼い始めた方や、今までこういった病気を知らなかった方でまだ避妊手術をうけていない場合
お近くの動物病院でご相談してくださいね☆
浜松市中区 レイクサイド動物病院
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