今日は今現在「不治の病」とされているFIPに関しての
新しい治療法の可能性についてです☆
今年の2月の「Journal of Feline Medicine and Surgery」に掲載された
論文によると抗ウイルス薬である『GS441524』を使用することによりいままで
生存期間9日
と壊滅的だった治療成績が
何年という単位に伸びたという奇跡のような話です!
(詳しい内容は誤解のないように原文を読んでいただきたいと思います→https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/1098612X19825701)
すごい要約して話すと、
31頭のFIPの猫ちゃんを治療して24頭が健康な状態で生存しており、
この論文が掲載された時点で1年数ヶ月以上生存しているということになります。
FIP(猫コロナウイルス感染症、伝染性腹膜炎)は今まで本当に救いのない病気の一つでした。
ある意味では、若い個体が感染することもありほかのさまざまな腫瘍や腎臓病などより
辛い病気と言えます。
今年に入って当院でFIPと診断した子は4頭いましたが、すでに3頭が亡くなりました。
それぞれのご家族も一生懸命治療に臨んで頂きましたが結果はついて来ず、
私たち動物病院のスタッフもご家族と同様に非常に辛い思いをしています。
そんな絶望的ともいえるFIPの治療に今後新たな可能性が出てきたということですね☆
このGS441524が製品化されるにはまだ相当の月日がかかると思われますが、
何十年もまっったく進歩のなかった治療法に光が差してきた!
というところでしょうか。
今後のさらなる研究に大いに期待しています。
コメントする